スーツ用語

アームホール

前身と後ろ身の袖付けの部分をくりとったところで袖をつけるための場所。古くは英国でアームサイArmscyeとよばれ単に略してScyeとも呼ばれました。

 

AMFステッチ

上衣の襟の縁やポケットの縁に入るハンドメイド風のステッチのことで、AMFとはこのステッチを施すためのミシンを開発したアメリカンマシンファウンドリーの通称になっています。

 

お台場仕立て

上衣の内ポケットの周囲を表生地で仕上げる仕立てのことで、名前の由来はその形状からそのまま東京湾のお台場にあるようです。R台場、三角台場などの種類があります。

 

カラー

上衣の上襟の部分になります。

 

ゴージ

上衣の上襟(カラー)と下襟(ラペル)の境界線のことで、このゴージラインの高低が、スーツの印象を決める要素になっており流行なども反映されています。もともとは立ち襟として首の周りを取り囲んでいた縫い目の名残。

 

スクエアショルダー

肩先が角ばったようにみえる肩線です。見た目も全体的に角ばった印象になります。

 

スラントポケット

ハッキングポケットとも呼ばれ、ジャケットの腰ポケットが斜めについた形になっています。英国調のスーツによくみられるディテールなのは、もともと馬に乗って前傾になったとき、ポケットのものを取りやすくかつ落ちにくいようにするためだったとか。

 

背抜き仕立て

上衣の背部分のみ裏地を省いた仕立て。通常は、夏物や合い物の場合に用いられます。

 

総裏仕立て

上衣の内側全体を裏地で覆う仕立て。

 

段返り

ラペルの折り返しが3つ釦の第1ボタン辺りで返っているモデルのこと。前釦は真ん中一つだけ掛ける形になります。ラペルの折り返しが緩めのハーフ段返りと呼ばれるものもあります。

 

チェンジポケット

右腰ポケットの上につく小さなポケットのことで、チェンジChange=釣銭・小銭をいれたことからその名前の由来があるといわれています。

 

ドロップショルダー

袖付けが腕のほうに落ちている肩線のことで、全体的に丸みを帯びた印象になります。

   

ナチュラルショルダー

肩ラインを強調しない自然な形になるように、パッドをまったく入れないか、もしくは薄いパッドを使う肩線のこと。

 

バルカポケット

船底のようになだらかなカーブを描く胸ポケットのことでナポリ仕立てのディテールとして有名です。

 

ピスポケット

スラックスのお尻の部分につくポケットのことで、ピスポケットのピスとは「ピストル」を意味し、ここにピストルを差していたことからその名前の由来があるようです。

 

フラワーホール

ラペル(下襟)に開けてあるボタンホールのことで、かつて花を飾る場所だったことからその名前の由来があります。

 

ブレスト

前身頃の合わせ。シングルブレストは前ボタンが一列のものを、ダブルブレストは二列のものになります。通常は「シングル」「ダブル」と略されます。

 

ベント

ジャケットの後ろ身の切りあきのことで、背の中央のセンターベント、両脇のサイドベント、あきがないノーベントなどがあります。

 

本切羽

袖口部分のボタンホールが実際に開閉できるようになっている仕立てのこと。切り込みだけ入って開閉できないものを開き見せといいます。

 

マニカ・カミーチャ

ナポリ仕立てのディテールとして有名でシャツ袖のような袖付け。袖山に入るシワの見た目から日本では雨降り袖と言われます。雨降りほどではなく袖山にゆるいウェーブがかかる程度のマニカ・マッピーナというものもあります。

 

ラペル

上衣の下襟の部分でスーツの顔とされています。一般的なものは三角のノッチドラペルで、先端が上向きになったものがピークドラペル、両者の中間のものがセミピークドラペルになります。

 

ロープドショルダー

肩先の袖山が盛り上がっている肩線のことで、英国調のスーツによく見られます。